글 수 30
有人自由気球耐空性審査基準
1998年4月1日
日本気球連盟安全委員会
この審査基準は日本気球連盟安全委員会が米国 FAA (連邦航空局)の FAR PART31 Airworthiness Standards : Manned Free Balloons の内容と日本気球連盟独自の基準を基に作成した物です.
本基準は機体の安全性を保証するものではありません.
目次
サブパート A - 規定総則
31.1 適用
サブパート B - 飛行規定
31.12 規定を満たしているかどうかの証明
31.14 重量制限
31.16 機体重量
31.17 性能:上昇
31.19 性能:コントロールできない下降
31.20 操縦性
サブパート C - 強度規定
31.21 荷重
31.23 飛行中の荷重係数
31.25 安全係数
31.27 強度
サブパートD - 設計
31.31 総則
31.33 材料
31.35 組立方法
31.37 留め金
31.39 保護
31.41 検査規定
31.43 取り付け部分への係数
31.45 燃料容器
31.46 加圧燃料システム
31.47 加熱器(バーナー)
31.49 制御システム(コントロールシステム)
31.51 バラスト
31.53 ドラッグロープ
31.55 排気装置
31.57 リップライン
31.59 トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置
31.61 自然放出
31.63 安全ベルト
31.65 位置表示用ライト
サブパート E - 機材
31.71 機能と設置方法
サブパート F - 操縦限界とインフォメーション
31.81 総則
31.82 滞空性維持のためのインストラクション
31.83 識別性
31.85 基本的な必要機材
第31部の追加項 A - 滞空性維持のためのインストラクション
A31.1 総則
A31.2 フォーマット
A31.3 内容
A31.4 滞空限界セクション
日本気球連盟の追加項
1) 設計安全係数
サブパート A - 総則
§31.1 適用
この基準は,有人自由熱気球の登録証の発行,及び登録証の変更の際に必要とされる耐空性基準を規定するものである.
(省略)
この基準では,それぞれ以下のように定義する.
ガス気球とは,空気より軽いガスによって浮力を得ている気球のことである.
熱気球とは,暖められた気体によって浮力を得ている気球のことである.
球皮とは,浮力を生じさせている気体を包み込んでいる部分のことである.
バスケットとは,球皮の下につるされた容器であり,気球の搭乗者のためのものとする.
トラピーズとは,気球搭乗者用に取り付けられるハーネス,もしくは水平な棒でつくられた椅子,もしくは球皮の下に吊るされた板のこととする.
機体の設計最大重量とは,浮力を生じさせている空気を除く気球の総重量の最大値を言う.
サブパート B - 飛行規定
§31.12 規定を満たしているかどうかの証明
各証明書で規定した重量は,規定範囲以内であることを以下に示す方法で提示されなければならない.
証明書に規定されているタイプ別に試験して重量を求めるか.テストもしくは同等の計算をもとにしてタイプ別に求めた重量であること.
重量が規定にそっていない場合には,各重量の系統的な調査を行うこと.
§31.17(b)に示されている場合を除き,フライト試験の際に認められる許容重量は,+5%,-10%以内の誤差であること.
§31.14 重量制限
気球が安全に操作できる過重量の範囲は定めておくこと.
最大重量.
最大重量とは,この項に示されている各規定に従った重量の最高値である.
最大重量は,次の各重量を超えない値で定めておかなければならない.
申請者によって定めた重量の最高値.
適切な積載量に従い積載を行った場合の重量の最高値.
この規定で示されている,飛行規定に従った場合の重量の最高値.
このセクションの(a)と(b)で定めた重量は,§31.81項に従って,パイロットに示されなければならない.
§31.16 機体重量
機体重量は,必要な機材を設置した状態で気球の重量を計測して求めること.
但し,燃料の容器重量及び燃料重量は含まない.
§31.17 性能:上昇
気球は,離陸後一分以内に最低でも1.5m/秒(300ft/分)の上昇率で,安定した上昇ができなければならない.認可のためには,各高度,および各外気温度で上昇値が予め示されなければならない.
最大重量(許容範囲+5%以内)時に,この項の(a)の規定に従った上昇率が維持出来ることを示されなければならない.
§31.19 性能:コントロールできない下降
バーナー部分,燃料容器,ガス燃料供給関係のシステム,燃料バルブ類,排気装置,あるいは球皮のいずれかひとつの故障・破損により引き起こされる可能性がある危険な下降に対し,下記の事項が予め求められていなければならない.
最大到達降下速度.
破損が起こった高度から,最大到達降下速度に達するまでの高度差.
最大到達降下速度で降下中に,回復操作が行われ始めた後,降下が停止するまでの高度差.
最大到達降下速度のままでの着陸方法は,予め定めておくこと.また,この項の(a)(3)の回復操作方法も予め定めておくこと.
§31.20 操縦性
申請者は,その気球が安全に,離陸,上昇,下降,着陸の操作,および制御ができることを予め定めておくこと.
また,操縦者に高度な特殊技術がなくても着陸できることを示さなければならない.
サブパート C - 強度規定
§31.21 荷重
強度は,制限荷重及び極限荷重から定められる.
制限荷重は,飛行中に予想される最大荷重から決まる値であり,極限荷重はこの制限荷重に安全係数を掛けたものである.明記されている場合を除き,この規定中の荷重は,全て制限荷重のことである.
§31.23 飛行中の荷重係数
制限荷重を決定する際,飛行中の荷重係数は,最低1.4であること.
§31.25 安全係数
この項の(b)と(c)に明記されているもの以外,設計する際に使用する安全係数は1.5である.
球皮の設計においては,安全係数は最低5のこと.但し,次の場合は最低2までの安全係数を予め定めて使用しても良い.球皮が,裂け防止が無くても瞬時に破裂することを防げる場合やゆっくりにしか裂けないと証明された場合.尚,予め定めた係数は,飛行中に球皮内が最大圧力になった際,もしくは球皮に掛かる荷重が最大になる時点などの,危機的な状況においても,強度を満足するものでなければならない.
吊り下げ部分や,球皮とバスケット,トラピーズ,搭乗者用の装置を結合させる部位が繊維質素材,もしくは非金属素材でつくられている場合は,その全ての設計には最低5の安全係数を使用すること.球皮とバスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用の装置を結合させる部位は,破損が起こらないように,最大限の注意を払って設計されなければならない.また一つの損傷が飛行に危険をもたらすことのないように設計されなければならない.
強度計算に用いる安全係数は,気温の影響,その他の操作上の特徴,もしくはその両方などの,気球の強度に影響する可能性のあるもの全てを考慮して決定すること.
設計に際して,搭乗者の体重は,最低でも80KG(170ポンド)として見積ること.
§31.27 強度
気球を構成する全ての構造は,支障無く制限荷重を支えることができなければならない.
気球を構成する全ての構造は,極限荷重を最低3秒間は支えられることが試験によって実証されなければならない.球皮に付いては,球皮の一部の試験でもよい.但し,試験片は十分な大きさがあり,且つ評価対象となる縫い目部分,接合部分,積載物接続部分を含んでいること.
バスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用の部位においては,最大到達降下速度で次のような試験が行われなければならない.試験は,設計された最大重量において,水平な地上面の上で行われなけれること.試験では,バスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用の部位が,地表面に対して0,15,30度の角度で衝突させる.この時の重量は,実際の状況に似せたモデル試験でもよい.この試験の結果,搭乗者にけがをさせるような破損や損傷があってはならない.落下試験は,90cm(36インチ)の高さからか,もしくは§31.19項で決定される最大到達降下速度と同等の速度を得られる高さの,どちらか高いほうの高さから行われること.
サブパート D - 設計
§31.31 総則
気球を構成する各部位は,設計製作において,安全性を適切な仮定に基づく計算,または適切な手段による実験によって示されなければならない.
§31.33 材料
使用する全ての材料は,実績もしくは実験に基づいた耐久性を示されなければ使用してはならない.また,使用する材料は,十分な強度及び設計上必要な特質が備わっていることが確認されていなければならない.
強度計算等に用いる使用する材料の強度値は,その材料の特性を確認する十分な試験をもとした値を用いること.
§31.35 組立方法
製作手段と方法は,気球の安全性を損なわないものとしなければならない.
製作過程中,特に注意を払わなければならない手段,方法を必要する部分では,その製作過程は予め認められた方法にもとづいて行われること.
§31.37 留め金
予め認められたボルト,ピン,とめネジ,リベット以外は,留め金として使用してはならない.
取り付け部分に振動の影響がない部分を除いて,使用する全てのボルト,ピン,ネジは,認められた固定装置(はずれ止め),もしくは固定方法が使用されなければならない.
飛行中に回ってしまう可能性があるセルフ・ロッキング(自己締め)ナットは,ボルトに使用してはならない.
§31.39 保護
気球の各部分は,外気や腐食,その他の原因によって引き起こされる劣化,もしくは強度の低下を防ぐための適切な保護を施すこと.
§31.41 検査規定
調整が必要な各部分に対しては,検査を繰り返し行う必要があり,検査ができる方法を予め定めておくこと.
§31.43 取り付け部分への係数
各取り付け部の強度を決める際には,最低1.15の係数を用いること.取り付け部の強度は,制限荷重試験,および極限荷重試験のみでは,その安全性は証明されない.この係数は,取り付け部の全ての部品,全ての接続方法,及び関連する支持部分の全てに適応される.
取り付け必要とされる部位は,その部分の特性が,繋がっている他の部分と同等になる部分までを取り付け部と見なす.
取り付け部への係数は,その接続部分の設計が,予め認められた方式によって行われる場合,または,全てを包括的する試験結果に基づいたものである場合には,これを用いなくてよい.
§31.45 燃料容器
使用する燃料容器は,燃料容器本体及びそれに付随する付属品,関係する構造物の耐久性があるかどうか,また重大な欠陥や損傷がないかどうか,設置方法によって引き起こされうる不具合がないかを予め試験すること.
また,§31.27(c)に明記されている落下試験も,合わせて行わなければならない.
この落下試験では,燃料容器は燃料満たんの状態と同じ重さであること及び同じ圧力の状態であること.
§31.46 加圧燃料システム
加圧燃料システムでは,各構成部品と接続部分および配管類は,一般操作状態での最大圧力の少なくとも2倍の圧力をかけた状態で試験が行われなければならない.
この試験の最中に,システム中の全て部品に,損傷や誤作動が生じてはならない.
この試験では,通常の燃料システムの接続方法および通常の気球の配置方法と同様の状態で実施すること.
§31.47 加熱器(バーナー)
浮力を得る方法として加熱器(以下バーナー)が使用される場合,そのシステムは火災により重大な危険を作り出さないような配置と設計がされなければならない.
バーナーの火炎の近くにある部品や搭乗者を,熱の影響から保護するものがなければならない.
バーナーには,安全に制御及び操作できる制御装置もしくは機器が備わっていなければならない.また,これらは,通常の飛行中または緊急操作の最中においても,正常に作動することが示されなければならない.
バーナーシステム(バーナー部分,コントローラー,燃料ホース,燃料容器,レギュレーター,コントロールバルブ,その他の関係する部位を含む)は,最低50時間の耐久試験に耐えるものでなければならない.この耐久試験を行う場合,システムの各部位は通常の気球における設置方法と同じような状態で設置されなければならない.耐久試験は,バーナー最大出力状態で7時間の試験,そして,最低出力状態から最大出力状態への増加を最低10回行う,3時間の試験の計10時間の試験で構成される.
耐久試験は,最低3回のフレームアウトと再着火の確認も含む.
バーナーシステムの各構成部品は,耐久試験終了時においても正常に作動可能であること.
§31.49 制御システム(コントロールシステム)
各制御は,簡単かつスムースに操作でき,適切な作動が行えるものでなければならない.各制御は,操作がしやすいように,また間違いや錯誤の可能性を防ぐように配置され,明確に分けられていなければならない.
各制御システムと操作装置は,搭乗者や積載物及び固定されていないものなどを押しつぶしたり,こすったり,じゃまをしたりすることのないように,予め設置されなければならない.また,外から装置を押しつぶすことがないように,予防措置が施されていること.制御システムの各部位は,誤作動を引き起こすような組立をする可能性を少なくするために,それぞれに特別な設計が施されるか,もしくは明確で且つ恒久的な印を付けておくこと.
浮力を得るために,密閉されたガスを使用する気球は,球皮内が最大操作圧力の状態でも,毎分全容積の3%が,最低でも放出できる自動弁,もしくは付属品が装備されていること.
熱気球には,飛行中に,球皮内の熱気を制御しながら放出できる装置がなければなない.
熱気球は,操作中に起こりうる球皮上の最高温度を明示する装置をつけておかなければならない.この最高温度表示は,パイロットが目で確認できるものでなければならず,球皮の素材における安全温度限界を示す印がついていなければならない.もしその印が表示計器のカバーガラスの上についている場合には,表示計器の文字盤とガラスカバーがずれていないようにすること.
§31.51 バラスト
ガス気球は,安全に貯蔵でき,かつ制御可能な放出のできるバラストを積む装置がなければならない.
バラストは,飛行中に放出された場合,地上の人間に危害を与えない素材のものでなければならない.
§31.53 ドラッグロープ
ドラッグーロープが使用される場合,機体から投下されるロープの先端は,木やワイヤー,その他の地上の物にからみつくのを阻止するため処置が施されていること.
§31.55 排気装置
安全な緊急着陸が行えるように,球皮の緊急排気装置がなければならない.
手動以外方法で排気がされる場合,使用されるシステムの信頼性が,実証されていなければならない.
§31.57 リップライン
緊急排気用にリップラインが使用される場合,ラインが絡まるのを防止するように設計され,設置されていなければならない.
リップラインを操作するのに必要となる力は,11.2kg(25ポンド)以下であってはならず,33.8kg(75ポンド)以上であってはならない.
リップラインの先端は,赤く色づけされていなければならない.
リップラインは,球皮が垂直方向に最低10%伸びても,十分な長さでなければならない.
§31.59 トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置
トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置は,球皮から独立して回転するようであってはならない.
搭乗者を負傷させる可能性がある,トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置にある突き出た部分は,保護パッドを入れる又は包むなどの処置をしておかなければならない.
§31.61 自然放出
安全性には問題がないと示されていない限り,浮力を可燃性のガスによって得ている気球は,球皮内ガスの自然放出が,災害を起こさないように適切な接着方法を用いなければならない.
§31.63 安全ベルト
安全委員会が必要でないと確認した場合以外,安全ベルト,ハーネス,もしくは各搭乗者を拘束することのできる装置がとりつけられていなければならない.このような装置が設置されている場合,ベルト,ハーネス,もしくは他の拘束装置とそれを支持する構造部分は,サブパートCの強度規定と一致した強度がなければならない.
尚,この項は,バスケットやゴンドラをつけた気球には適応しない.
§31.65 位置表示用ライト
位置表示用ライトを設置する場合,航空機用無点滅白色ライトを1つと,航空機用赤色点滅ライト(もしくは航空機用白色点滅ライト)を1つ設置しなければならない.点滅ライトは,1分間に最低40以上,100以下の点滅サイクルのものでなければならない.
各ライトは,このパラグラフに明記されている光度で水平方向に360度カバーできるものでなければならない.下記のライトの光度は,安定した状態でライトの操作を行い,すべてのライトカバーやカラーフィルターをつけ,製造社が最低電圧としている電圧で決定されなければならない.航空機用点滅赤色灯は,測定値を最低130度Fの赤フィルター温度に修正しなければならない.
水平方向の光度において,光ユニットは下記の数値と同等,もしくはそれ以上でなければならない.
位置表示ライト 最低光度
(カンデラ)
無点滅白色ライト 20
点滅赤色ライト,白色点滅ライト 40
垂直方向の光度は,下記の数値と同等,もしくはそれ以上でなければならない.各光源(各ユニット)の光度は,この章の(b)(1)に明記されている,適切な水平光度とも一致しなければならない.
水平方向からの垂直方向角度
- 上下とも -
(度)
最低光度
(ユニット)
0 1.00
0 ~ 5 0.90
5 ~ 10 0.80
10 ~ 15 0.70
15 ~ 20 0.50
20 ~ 30 0.30
30 ~ 40 0.10
40 ~ 60 0.05
無点滅白色ライトはバスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用装置から6m(20フィート)以上したに設置してはならない.点滅赤色,点滅白色ライトは,無点滅白色ライトから,2.1m(7フィート)以上,3m(10フィート)以内の場所に設置しなければならない.
ライトを引っ込ませる,もしくは格納出来る装置がなければならない.
各位置表示ライトの色は国際イルミネーション委員会の色彩基準に適応していな ければならない.基準は下記のようである.
航空機用赤 - "Y"が0.335以上でなく,"z"が0.002以上でないもの.
航空機用白 - "x"が0.300以下でなく,0.540以上でないもの.
"y"が"x"-0.040"もしくは"yo-0.010"以下でないもののうちどちらか小さい方.
そして"y"が"x+0.020"や"0.636 - 0.0400 x"以上であってはならない.
この場合,"yo"とは,"x"の数値に対するプランキアン発光値における"y"の座標である.
サブパート E - 機材
§31.71 機能と設置方法
気球に設置されている各機材は,下記のようでなければならない.
各機材は,目的の機能の為に作られており,その機能の為に適切な設計がなされていること.
恒久的なしっかりとした印がついているものについては,表示する機材が印を付けるには小さすぎる場合,識別が容易で機能が分かり易く且つ操作限界が解るタッグを取り付けてもよい.または,これらの要因を混合させた情報を示すタッグでもよい.
各機材は,予め定めた制限に従って取り付けること.
各機材は,設置された場所で適切に作動すること.
各機材は,作動している最中に1つの機材が他の機材の作動状況に影響を与えるような設置をしてはならない.
各機材,その構成システム,そして設置方法は,誤作動や損傷が起こった場合に,気球自身に危害を与えないように設計されなければならない.
サブパート F - 操作限界とインフォメーション
§31.81 総則
下記のインフォメーションが予め定められなけれていること.
§31.14で制定された最大重量を含む,各操縦限界.
通常の操作方法および緊急操作方法.
安全な操作のために必要な,以下を含むインフォメーション.
§31.16によって定めた機体重量.
§31.17によって定めた上昇率および定める際に使用された方法と条件.
最大到達降下速度.
§31.19で定めた,最大到達降下速度に到達するまでの高度差,および最大到達降下速度において下降から回復するために必要な高度差.そして,これらの値を決定した方法と条件.
各気球の固有の特徴がある操縦に関する情報.
この項の(a)のインフォメーションは,下記の方法によって,パイロットへ供給されなければならない.
気球のフライトマニュアル.
パイロットが明確に目視確認できるような,気球内のプラカード(注意銘板).
§31.82 滞空性持続のためのインストラクション
申請者は,安全委員会に受諾されうる滞空性維持のためのインストラクションを,この規定の追加項Aにしたがって作成しなければならない.
§31.83 識別性
球皮の外側は飛行中に,気球の存在をはっきりさせるため,識別できる色もしくは数色の色づけがなされていなければならない.
しかし,数色の色のついた垂れ幕,もしくは吹き流し(ストリーマー)に十分な大きさがある場合,もしくは色の識別が容易で飛行中の気球を識別することができる場合は,これを代用できる.
§31.85 基本的な必要機材
気球の操作においては,このサブパートDで定めた特定の操作に必要となる機材に加えて,次の機材が必要である.
全ての気球:
[予約]
高度計
昇降計
熱気球
燃料残量ゲージ.
飛行中に各容器の燃料の残量をクルーに示せる方法であること.この方法は,適切な方法で,目盛りによって示されるものか,又は燃料容器の容量をパーセンテージで示せるものであること.
球皮内温度計
ガス気球においては,コンパス.
追加項 A - 滞空性維持のためのインストラクション
A31.1 総則
この追加事項は,§31.82で規定されている滞空性維持のためのインストラクションを作成するために必要な事項を明記するものである.
各気球の滞空性維持のためのインストラクションは,この追加項Aで規定される「気球の部位すべてに関する,滞空性維持のためのインストラクション」を含んでいなければならない.また,これらの部位と部位の中間点に関係する必要情報も含まれていなければならない.各部品に付いては,その部品製造メーカーが,気球の部品としての滞空性維持のためのインストラクションをだしていない場合,このインストラクションは,その部品に関する「気球の部位として滞空性を維持するための主要な情報」が含まれていなければならない.
申請者は,安全委員会に対して,滞空性維持のためのインストラクションが申請者によってどのように変えられたのかを示すプログラム,もしくは各部位がどのようなものに変えられたのかを示す製造者からのプログラムを提出しなければならない.
A31.2 フォーマット
滞空性維持のためのインストラクションは,マニュアルの形式,もしくは適切なデータ量を含むマニュアル形式をとらなければならない.
マニュアルのフォーマットは,実際に承認されたことを記載しなければならない.
A31.3 内容
マニュアルの内容は,英語又は日本語で作成されなければならない.
滞空性維持のためのインストラクションは,以下の情報を含んでいなければならない.
気球の基本的な説明.
メンテナンスのための必要範囲のデータ,予防メンテナンスのための必要範囲のデータ.
気球,構成するシステム及び各設置方法の解説.
気球の基本的な操作・制御の情報と構成部位・システムのに関する情報.
気球の各構成部分の作動に関する,詳細を含む作動に関する情報.これには,バーナーノズル,燃料タンク,燃料バルブの作動に関する情報も含まれる.
気球の各部,球皮,コントローラー,懸架部分,バスケット,燃料システム,計器類,ヒーター部分の保守(メンテナンス)に関する情報.
これらの情報の中には,掃除や調整,試験,油さしの各予定,持久性能,各時期での保守程度の作業の情報が記されていること.アクセサリーや計器,部品等に関しては,それらの製品が特殊な保守技術,試験装置及び方法,専門的知識を必要とする複雑なものである場合,申請者は各メーカーの情報を参照として記載することもできる.オーバーホールが勧められる時期,およびマニュアルの滞空性限界に従った,オーバーホール必要時期が含まれなければならない.加えて,申請者は,気球の滞空性を維持させるために必要なインスペクションの回数や期間を含む,インスペクション・プログラムを記載しなければならない.
発生の可能性がある誤作動を説明し,この誤作動をどのようにして知ることが出来るかまたその誤作動に対する適切な処置方法を説明する,トラブル対処情報を含むこと.
ハードランディング後の必要な検査に関する詳細な情報を含むこと.
禁止事項を含む,機材保管のための情報を含むこと.
球皮,バスケット,トラピーズの修理方法を含むこと.
A31.4 滞空限界セクション
滞空性維持のためのインストラクションは,滞空限界セクションを含んでいなければならない.
この滞空限界セクションは,他の書類とは個別に,明確に識別できるものでなければならない.
この滞空限界セクションには,予め定めた部品交換が必須な時期,球皮部分を含む構造のインスペクションを行わなければならない時期,及びインスペクション方法が定められていなければならない.
滞空性持続のためのインストラクションが,いくつかの書類で構成されている場合,この滞空限界セクションは,主要マニュアルに含まれていなければならない.
日本気球連盟の追加項
1)設計安全係数
静止荷重:空中にて静止している気球の各部に使用を予定している範囲で生じる最大荷重
破壊荷重 : 材料が,永久変形又は破断し使用不能になり始める荷重
設計安全係数 : (破壊荷重) / (静止荷重)
自作気球では,球皮と吊り下げ部分の接続に用いる,吊りワイヤー及びワイヤー端止め部分の設計安全係数は,「10」以上であること.
また,その製作については,実績がある信頼がおける専門業者に依頼すると共に,同時に製作されたサンプル1本の破壊試験を実施してその結果を報告するか,製作者の証明書を提出のこと.
本項は,吊りワイヤー及びワイヤー端止め部分を取り替える場合にも適用される.
1998年4月1日
日本気球連盟安全委員会
この審査基準は日本気球連盟安全委員会が米国 FAA (連邦航空局)の FAR PART31 Airworthiness Standards : Manned Free Balloons の内容と日本気球連盟独自の基準を基に作成した物です.
本基準は機体の安全性を保証するものではありません.
目次
サブパート A - 規定総則
31.1 適用
サブパート B - 飛行規定
31.12 規定を満たしているかどうかの証明
31.14 重量制限
31.16 機体重量
31.17 性能:上昇
31.19 性能:コントロールできない下降
31.20 操縦性
サブパート C - 強度規定
31.21 荷重
31.23 飛行中の荷重係数
31.25 安全係数
31.27 強度
サブパートD - 設計
31.31 総則
31.33 材料
31.35 組立方法
31.37 留め金
31.39 保護
31.41 検査規定
31.43 取り付け部分への係数
31.45 燃料容器
31.46 加圧燃料システム
31.47 加熱器(バーナー)
31.49 制御システム(コントロールシステム)
31.51 バラスト
31.53 ドラッグロープ
31.55 排気装置
31.57 リップライン
31.59 トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置
31.61 自然放出
31.63 安全ベルト
31.65 位置表示用ライト
サブパート E - 機材
31.71 機能と設置方法
サブパート F - 操縦限界とインフォメーション
31.81 総則
31.82 滞空性維持のためのインストラクション
31.83 識別性
31.85 基本的な必要機材
第31部の追加項 A - 滞空性維持のためのインストラクション
A31.1 総則
A31.2 フォーマット
A31.3 内容
A31.4 滞空限界セクション
日本気球連盟の追加項
1) 設計安全係数
サブパート A - 総則
§31.1 適用
この基準は,有人自由熱気球の登録証の発行,及び登録証の変更の際に必要とされる耐空性基準を規定するものである.
(省略)
この基準では,それぞれ以下のように定義する.
ガス気球とは,空気より軽いガスによって浮力を得ている気球のことである.
熱気球とは,暖められた気体によって浮力を得ている気球のことである.
球皮とは,浮力を生じさせている気体を包み込んでいる部分のことである.
バスケットとは,球皮の下につるされた容器であり,気球の搭乗者のためのものとする.
トラピーズとは,気球搭乗者用に取り付けられるハーネス,もしくは水平な棒でつくられた椅子,もしくは球皮の下に吊るされた板のこととする.
機体の設計最大重量とは,浮力を生じさせている空気を除く気球の総重量の最大値を言う.
サブパート B - 飛行規定
§31.12 規定を満たしているかどうかの証明
各証明書で規定した重量は,規定範囲以内であることを以下に示す方法で提示されなければならない.
証明書に規定されているタイプ別に試験して重量を求めるか.テストもしくは同等の計算をもとにしてタイプ別に求めた重量であること.
重量が規定にそっていない場合には,各重量の系統的な調査を行うこと.
§31.17(b)に示されている場合を除き,フライト試験の際に認められる許容重量は,+5%,-10%以内の誤差であること.
§31.14 重量制限
気球が安全に操作できる過重量の範囲は定めておくこと.
最大重量.
最大重量とは,この項に示されている各規定に従った重量の最高値である.
最大重量は,次の各重量を超えない値で定めておかなければならない.
申請者によって定めた重量の最高値.
適切な積載量に従い積載を行った場合の重量の最高値.
この規定で示されている,飛行規定に従った場合の重量の最高値.
このセクションの(a)と(b)で定めた重量は,§31.81項に従って,パイロットに示されなければならない.
§31.16 機体重量
機体重量は,必要な機材を設置した状態で気球の重量を計測して求めること.
但し,燃料の容器重量及び燃料重量は含まない.
§31.17 性能:上昇
気球は,離陸後一分以内に最低でも1.5m/秒(300ft/分)の上昇率で,安定した上昇ができなければならない.認可のためには,各高度,および各外気温度で上昇値が予め示されなければならない.
最大重量(許容範囲+5%以内)時に,この項の(a)の規定に従った上昇率が維持出来ることを示されなければならない.
§31.19 性能:コントロールできない下降
バーナー部分,燃料容器,ガス燃料供給関係のシステム,燃料バルブ類,排気装置,あるいは球皮のいずれかひとつの故障・破損により引き起こされる可能性がある危険な下降に対し,下記の事項が予め求められていなければならない.
最大到達降下速度.
破損が起こった高度から,最大到達降下速度に達するまでの高度差.
最大到達降下速度で降下中に,回復操作が行われ始めた後,降下が停止するまでの高度差.
最大到達降下速度のままでの着陸方法は,予め定めておくこと.また,この項の(a)(3)の回復操作方法も予め定めておくこと.
§31.20 操縦性
申請者は,その気球が安全に,離陸,上昇,下降,着陸の操作,および制御ができることを予め定めておくこと.
また,操縦者に高度な特殊技術がなくても着陸できることを示さなければならない.
サブパート C - 強度規定
§31.21 荷重
強度は,制限荷重及び極限荷重から定められる.
制限荷重は,飛行中に予想される最大荷重から決まる値であり,極限荷重はこの制限荷重に安全係数を掛けたものである.明記されている場合を除き,この規定中の荷重は,全て制限荷重のことである.
§31.23 飛行中の荷重係数
制限荷重を決定する際,飛行中の荷重係数は,最低1.4であること.
§31.25 安全係数
この項の(b)と(c)に明記されているもの以外,設計する際に使用する安全係数は1.5である.
球皮の設計においては,安全係数は最低5のこと.但し,次の場合は最低2までの安全係数を予め定めて使用しても良い.球皮が,裂け防止が無くても瞬時に破裂することを防げる場合やゆっくりにしか裂けないと証明された場合.尚,予め定めた係数は,飛行中に球皮内が最大圧力になった際,もしくは球皮に掛かる荷重が最大になる時点などの,危機的な状況においても,強度を満足するものでなければならない.
吊り下げ部分や,球皮とバスケット,トラピーズ,搭乗者用の装置を結合させる部位が繊維質素材,もしくは非金属素材でつくられている場合は,その全ての設計には最低5の安全係数を使用すること.球皮とバスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用の装置を結合させる部位は,破損が起こらないように,最大限の注意を払って設計されなければならない.また一つの損傷が飛行に危険をもたらすことのないように設計されなければならない.
強度計算に用いる安全係数は,気温の影響,その他の操作上の特徴,もしくはその両方などの,気球の強度に影響する可能性のあるもの全てを考慮して決定すること.
設計に際して,搭乗者の体重は,最低でも80KG(170ポンド)として見積ること.
§31.27 強度
気球を構成する全ての構造は,支障無く制限荷重を支えることができなければならない.
気球を構成する全ての構造は,極限荷重を最低3秒間は支えられることが試験によって実証されなければならない.球皮に付いては,球皮の一部の試験でもよい.但し,試験片は十分な大きさがあり,且つ評価対象となる縫い目部分,接合部分,積載物接続部分を含んでいること.
バスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用の部位においては,最大到達降下速度で次のような試験が行われなければならない.試験は,設計された最大重量において,水平な地上面の上で行われなけれること.試験では,バスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用の部位が,地表面に対して0,15,30度の角度で衝突させる.この時の重量は,実際の状況に似せたモデル試験でもよい.この試験の結果,搭乗者にけがをさせるような破損や損傷があってはならない.落下試験は,90cm(36インチ)の高さからか,もしくは§31.19項で決定される最大到達降下速度と同等の速度を得られる高さの,どちらか高いほうの高さから行われること.
サブパート D - 設計
§31.31 総則
気球を構成する各部位は,設計製作において,安全性を適切な仮定に基づく計算,または適切な手段による実験によって示されなければならない.
§31.33 材料
使用する全ての材料は,実績もしくは実験に基づいた耐久性を示されなければ使用してはならない.また,使用する材料は,十分な強度及び設計上必要な特質が備わっていることが確認されていなければならない.
強度計算等に用いる使用する材料の強度値は,その材料の特性を確認する十分な試験をもとした値を用いること.
§31.35 組立方法
製作手段と方法は,気球の安全性を損なわないものとしなければならない.
製作過程中,特に注意を払わなければならない手段,方法を必要する部分では,その製作過程は予め認められた方法にもとづいて行われること.
§31.37 留め金
予め認められたボルト,ピン,とめネジ,リベット以外は,留め金として使用してはならない.
取り付け部分に振動の影響がない部分を除いて,使用する全てのボルト,ピン,ネジは,認められた固定装置(はずれ止め),もしくは固定方法が使用されなければならない.
飛行中に回ってしまう可能性があるセルフ・ロッキング(自己締め)ナットは,ボルトに使用してはならない.
§31.39 保護
気球の各部分は,外気や腐食,その他の原因によって引き起こされる劣化,もしくは強度の低下を防ぐための適切な保護を施すこと.
§31.41 検査規定
調整が必要な各部分に対しては,検査を繰り返し行う必要があり,検査ができる方法を予め定めておくこと.
§31.43 取り付け部分への係数
各取り付け部の強度を決める際には,最低1.15の係数を用いること.取り付け部の強度は,制限荷重試験,および極限荷重試験のみでは,その安全性は証明されない.この係数は,取り付け部の全ての部品,全ての接続方法,及び関連する支持部分の全てに適応される.
取り付け必要とされる部位は,その部分の特性が,繋がっている他の部分と同等になる部分までを取り付け部と見なす.
取り付け部への係数は,その接続部分の設計が,予め認められた方式によって行われる場合,または,全てを包括的する試験結果に基づいたものである場合には,これを用いなくてよい.
§31.45 燃料容器
使用する燃料容器は,燃料容器本体及びそれに付随する付属品,関係する構造物の耐久性があるかどうか,また重大な欠陥や損傷がないかどうか,設置方法によって引き起こされうる不具合がないかを予め試験すること.
また,§31.27(c)に明記されている落下試験も,合わせて行わなければならない.
この落下試験では,燃料容器は燃料満たんの状態と同じ重さであること及び同じ圧力の状態であること.
§31.46 加圧燃料システム
加圧燃料システムでは,各構成部品と接続部分および配管類は,一般操作状態での最大圧力の少なくとも2倍の圧力をかけた状態で試験が行われなければならない.
この試験の最中に,システム中の全て部品に,損傷や誤作動が生じてはならない.
この試験では,通常の燃料システムの接続方法および通常の気球の配置方法と同様の状態で実施すること.
§31.47 加熱器(バーナー)
浮力を得る方法として加熱器(以下バーナー)が使用される場合,そのシステムは火災により重大な危険を作り出さないような配置と設計がされなければならない.
バーナーの火炎の近くにある部品や搭乗者を,熱の影響から保護するものがなければならない.
バーナーには,安全に制御及び操作できる制御装置もしくは機器が備わっていなければならない.また,これらは,通常の飛行中または緊急操作の最中においても,正常に作動することが示されなければならない.
バーナーシステム(バーナー部分,コントローラー,燃料ホース,燃料容器,レギュレーター,コントロールバルブ,その他の関係する部位を含む)は,最低50時間の耐久試験に耐えるものでなければならない.この耐久試験を行う場合,システムの各部位は通常の気球における設置方法と同じような状態で設置されなければならない.耐久試験は,バーナー最大出力状態で7時間の試験,そして,最低出力状態から最大出力状態への増加を最低10回行う,3時間の試験の計10時間の試験で構成される.
耐久試験は,最低3回のフレームアウトと再着火の確認も含む.
バーナーシステムの各構成部品は,耐久試験終了時においても正常に作動可能であること.
§31.49 制御システム(コントロールシステム)
各制御は,簡単かつスムースに操作でき,適切な作動が行えるものでなければならない.各制御は,操作がしやすいように,また間違いや錯誤の可能性を防ぐように配置され,明確に分けられていなければならない.
各制御システムと操作装置は,搭乗者や積載物及び固定されていないものなどを押しつぶしたり,こすったり,じゃまをしたりすることのないように,予め設置されなければならない.また,外から装置を押しつぶすことがないように,予防措置が施されていること.制御システムの各部位は,誤作動を引き起こすような組立をする可能性を少なくするために,それぞれに特別な設計が施されるか,もしくは明確で且つ恒久的な印を付けておくこと.
浮力を得るために,密閉されたガスを使用する気球は,球皮内が最大操作圧力の状態でも,毎分全容積の3%が,最低でも放出できる自動弁,もしくは付属品が装備されていること.
熱気球には,飛行中に,球皮内の熱気を制御しながら放出できる装置がなければなない.
熱気球は,操作中に起こりうる球皮上の最高温度を明示する装置をつけておかなければならない.この最高温度表示は,パイロットが目で確認できるものでなければならず,球皮の素材における安全温度限界を示す印がついていなければならない.もしその印が表示計器のカバーガラスの上についている場合には,表示計器の文字盤とガラスカバーがずれていないようにすること.
§31.51 バラスト
ガス気球は,安全に貯蔵でき,かつ制御可能な放出のできるバラストを積む装置がなければならない.
バラストは,飛行中に放出された場合,地上の人間に危害を与えない素材のものでなければならない.
§31.53 ドラッグロープ
ドラッグーロープが使用される場合,機体から投下されるロープの先端は,木やワイヤー,その他の地上の物にからみつくのを阻止するため処置が施されていること.
§31.55 排気装置
安全な緊急着陸が行えるように,球皮の緊急排気装置がなければならない.
手動以外方法で排気がされる場合,使用されるシステムの信頼性が,実証されていなければならない.
§31.57 リップライン
緊急排気用にリップラインが使用される場合,ラインが絡まるのを防止するように設計され,設置されていなければならない.
リップラインを操作するのに必要となる力は,11.2kg(25ポンド)以下であってはならず,33.8kg(75ポンド)以上であってはならない.
リップラインの先端は,赤く色づけされていなければならない.
リップラインは,球皮が垂直方向に最低10%伸びても,十分な長さでなければならない.
§31.59 トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置
トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置は,球皮から独立して回転するようであってはならない.
搭乗者を負傷させる可能性がある,トラピーズ,バスケット,その他の搭乗者用装置にある突き出た部分は,保護パッドを入れる又は包むなどの処置をしておかなければならない.
§31.61 自然放出
安全性には問題がないと示されていない限り,浮力を可燃性のガスによって得ている気球は,球皮内ガスの自然放出が,災害を起こさないように適切な接着方法を用いなければならない.
§31.63 安全ベルト
安全委員会が必要でないと確認した場合以外,安全ベルト,ハーネス,もしくは各搭乗者を拘束することのできる装置がとりつけられていなければならない.このような装置が設置されている場合,ベルト,ハーネス,もしくは他の拘束装置とそれを支持する構造部分は,サブパートCの強度規定と一致した強度がなければならない.
尚,この項は,バスケットやゴンドラをつけた気球には適応しない.
§31.65 位置表示用ライト
位置表示用ライトを設置する場合,航空機用無点滅白色ライトを1つと,航空機用赤色点滅ライト(もしくは航空機用白色点滅ライト)を1つ設置しなければならない.点滅ライトは,1分間に最低40以上,100以下の点滅サイクルのものでなければならない.
各ライトは,このパラグラフに明記されている光度で水平方向に360度カバーできるものでなければならない.下記のライトの光度は,安定した状態でライトの操作を行い,すべてのライトカバーやカラーフィルターをつけ,製造社が最低電圧としている電圧で決定されなければならない.航空機用点滅赤色灯は,測定値を最低130度Fの赤フィルター温度に修正しなければならない.
水平方向の光度において,光ユニットは下記の数値と同等,もしくはそれ以上でなければならない.
位置表示ライト 最低光度
(カンデラ)
無点滅白色ライト 20
点滅赤色ライト,白色点滅ライト 40
垂直方向の光度は,下記の数値と同等,もしくはそれ以上でなければならない.各光源(各ユニット)の光度は,この章の(b)(1)に明記されている,適切な水平光度とも一致しなければならない.
水平方向からの垂直方向角度
- 上下とも -
(度)
最低光度
(ユニット)
0 1.00
0 ~ 5 0.90
5 ~ 10 0.80
10 ~ 15 0.70
15 ~ 20 0.50
20 ~ 30 0.30
30 ~ 40 0.10
40 ~ 60 0.05
無点滅白色ライトはバスケット,トラピーズ,その他の搭乗者用装置から6m(20フィート)以上したに設置してはならない.点滅赤色,点滅白色ライトは,無点滅白色ライトから,2.1m(7フィート)以上,3m(10フィート)以内の場所に設置しなければならない.
ライトを引っ込ませる,もしくは格納出来る装置がなければならない.
各位置表示ライトの色は国際イルミネーション委員会の色彩基準に適応していな ければならない.基準は下記のようである.
航空機用赤 - "Y"が0.335以上でなく,"z"が0.002以上でないもの.
航空機用白 - "x"が0.300以下でなく,0.540以上でないもの.
"y"が"x"-0.040"もしくは"yo-0.010"以下でないもののうちどちらか小さい方.
そして"y"が"x+0.020"や"0.636 - 0.0400 x"以上であってはならない.
この場合,"yo"とは,"x"の数値に対するプランキアン発光値における"y"の座標である.
サブパート E - 機材
§31.71 機能と設置方法
気球に設置されている各機材は,下記のようでなければならない.
各機材は,目的の機能の為に作られており,その機能の為に適切な設計がなされていること.
恒久的なしっかりとした印がついているものについては,表示する機材が印を付けるには小さすぎる場合,識別が容易で機能が分かり易く且つ操作限界が解るタッグを取り付けてもよい.または,これらの要因を混合させた情報を示すタッグでもよい.
各機材は,予め定めた制限に従って取り付けること.
各機材は,設置された場所で適切に作動すること.
各機材は,作動している最中に1つの機材が他の機材の作動状況に影響を与えるような設置をしてはならない.
各機材,その構成システム,そして設置方法は,誤作動や損傷が起こった場合に,気球自身に危害を与えないように設計されなければならない.
サブパート F - 操作限界とインフォメーション
§31.81 総則
下記のインフォメーションが予め定められなけれていること.
§31.14で制定された最大重量を含む,各操縦限界.
通常の操作方法および緊急操作方法.
安全な操作のために必要な,以下を含むインフォメーション.
§31.16によって定めた機体重量.
§31.17によって定めた上昇率および定める際に使用された方法と条件.
最大到達降下速度.
§31.19で定めた,最大到達降下速度に到達するまでの高度差,および最大到達降下速度において下降から回復するために必要な高度差.そして,これらの値を決定した方法と条件.
各気球の固有の特徴がある操縦に関する情報.
この項の(a)のインフォメーションは,下記の方法によって,パイロットへ供給されなければならない.
気球のフライトマニュアル.
パイロットが明確に目視確認できるような,気球内のプラカード(注意銘板).
§31.82 滞空性持続のためのインストラクション
申請者は,安全委員会に受諾されうる滞空性維持のためのインストラクションを,この規定の追加項Aにしたがって作成しなければならない.
§31.83 識別性
球皮の外側は飛行中に,気球の存在をはっきりさせるため,識別できる色もしくは数色の色づけがなされていなければならない.
しかし,数色の色のついた垂れ幕,もしくは吹き流し(ストリーマー)に十分な大きさがある場合,もしくは色の識別が容易で飛行中の気球を識別することができる場合は,これを代用できる.
§31.85 基本的な必要機材
気球の操作においては,このサブパートDで定めた特定の操作に必要となる機材に加えて,次の機材が必要である.
全ての気球:
[予約]
高度計
昇降計
熱気球
燃料残量ゲージ.
飛行中に各容器の燃料の残量をクルーに示せる方法であること.この方法は,適切な方法で,目盛りによって示されるものか,又は燃料容器の容量をパーセンテージで示せるものであること.
球皮内温度計
ガス気球においては,コンパス.
追加項 A - 滞空性維持のためのインストラクション
A31.1 総則
この追加事項は,§31.82で規定されている滞空性維持のためのインストラクションを作成するために必要な事項を明記するものである.
各気球の滞空性維持のためのインストラクションは,この追加項Aで規定される「気球の部位すべてに関する,滞空性維持のためのインストラクション」を含んでいなければならない.また,これらの部位と部位の中間点に関係する必要情報も含まれていなければならない.各部品に付いては,その部品製造メーカーが,気球の部品としての滞空性維持のためのインストラクションをだしていない場合,このインストラクションは,その部品に関する「気球の部位として滞空性を維持するための主要な情報」が含まれていなければならない.
申請者は,安全委員会に対して,滞空性維持のためのインストラクションが申請者によってどのように変えられたのかを示すプログラム,もしくは各部位がどのようなものに変えられたのかを示す製造者からのプログラムを提出しなければならない.
A31.2 フォーマット
滞空性維持のためのインストラクションは,マニュアルの形式,もしくは適切なデータ量を含むマニュアル形式をとらなければならない.
マニュアルのフォーマットは,実際に承認されたことを記載しなければならない.
A31.3 内容
マニュアルの内容は,英語又は日本語で作成されなければならない.
滞空性維持のためのインストラクションは,以下の情報を含んでいなければならない.
気球の基本的な説明.
メンテナンスのための必要範囲のデータ,予防メンテナンスのための必要範囲のデータ.
気球,構成するシステム及び各設置方法の解説.
気球の基本的な操作・制御の情報と構成部位・システムのに関する情報.
気球の各構成部分の作動に関する,詳細を含む作動に関する情報.これには,バーナーノズル,燃料タンク,燃料バルブの作動に関する情報も含まれる.
気球の各部,球皮,コントローラー,懸架部分,バスケット,燃料システム,計器類,ヒーター部分の保守(メンテナンス)に関する情報.
これらの情報の中には,掃除や調整,試験,油さしの各予定,持久性能,各時期での保守程度の作業の情報が記されていること.アクセサリーや計器,部品等に関しては,それらの製品が特殊な保守技術,試験装置及び方法,専門的知識を必要とする複雑なものである場合,申請者は各メーカーの情報を参照として記載することもできる.オーバーホールが勧められる時期,およびマニュアルの滞空性限界に従った,オーバーホール必要時期が含まれなければならない.加えて,申請者は,気球の滞空性を維持させるために必要なインスペクションの回数や期間を含む,インスペクション・プログラムを記載しなければならない.
発生の可能性がある誤作動を説明し,この誤作動をどのようにして知ることが出来るかまたその誤作動に対する適切な処置方法を説明する,トラブル対処情報を含むこと.
ハードランディング後の必要な検査に関する詳細な情報を含むこと.
禁止事項を含む,機材保管のための情報を含むこと.
球皮,バスケット,トラピーズの修理方法を含むこと.
A31.4 滞空限界セクション
滞空性維持のためのインストラクションは,滞空限界セクションを含んでいなければならない.
この滞空限界セクションは,他の書類とは個別に,明確に識別できるものでなければならない.
この滞空限界セクションには,予め定めた部品交換が必須な時期,球皮部分を含む構造のインスペクションを行わなければならない時期,及びインスペクション方法が定められていなければならない.
滞空性持続のためのインストラクションが,いくつかの書類で構成されている場合,この滞空限界セクションは,主要マニュアルに含まれていなければならない.
日本気球連盟の追加項
1)設計安全係数
静止荷重:空中にて静止している気球の各部に使用を予定している範囲で生じる最大荷重
破壊荷重 : 材料が,永久変形又は破断し使用不能になり始める荷重
設計安全係数 : (破壊荷重) / (静止荷重)
自作気球では,球皮と吊り下げ部分の接続に用いる,吊りワイヤー及びワイヤー端止め部分の設計安全係数は,「10」以上であること.
また,その製作については,実績がある信頼がおける専門業者に依頼すると共に,同時に製作されたサンプル1本の破壊試験を実施してその結果を報告するか,製作者の証明書を提出のこと.
本項は,吊りワイヤー及びワイヤー端止め部分を取り替える場合にも適用される.
